スポーツっ子の栄養


1日になにをどれだけ食べればいいの?


食品に含まれる栄養素はそれぞれ違うため、これさえ食べれば強くなるというような『ポパイのほうれん草』はありません。
1日30品目を目標にできるだけ多種類の食品を食べましょう。中学女子の場合、男子の90%をとるように心がけます。
また、持久力の向上と貧血予防に鉄が必要になるため、食品構成にはありませんが、牛や鶏、豚のレバーも積極的に食べましょう。


中学生男子の食品構成の例
分類
1日量(g)
食品構成
可食部重量(g)*
概量
穀類350250ごはん550〜570g
食パン1004枚切り1枚
60じゃが芋60大1/2個
砂糖10砂糖10小さじ31/3
油脂2517小さじ4強
バター8
豆類100もめん豆腐601/5丁
納豆25小1/2パック
みそ15小さじ21/2
魚介類70サケ551/2
アサリ155個(殻つきで約40g)
肉類140牛もも肉40
鶏もも肉40
豚もも肉40
ロースハム201枚
6060L玉1個
乳・乳製品600牛乳600コップ3杯
緑黄色野菜150ほうれん草401/5束
にんじん401/3本
ブロコッリー301/7株
トマト40プチトマト大2個
淡色野菜250ごぼう301/5
キャベツ40小1枚
大根40
玉ねぎ401/5個
きゅうり301/3本
もやし301/7袋
なす401/2本
くだもの230オレンジ501/2個
キウイフルーツ501/2個
りんご501/4個
バナナ801本
きのこ20しめじ10
生しいたけ101枚
海藻5干しひじき3
干しわかめ2
*可食部重量(g)とは、皮や殻、種、芯などを除いた、実際に食べる部分の重量です。




たんぱく質
たんぱく質はアミノ酸*として体内に吸収され、血液をとして各組織に送られて骨や血液、筋肉をつくるもとになる。
人体の構成に関してもっとも基本的な栄養素のひとつです。スポーツをする子どもは体重が軽くても
大人とほぼ同じ量のたんぱく質をとる必要があり、肉や魚などを使った『主菜』を大人と同様に食べる必要があります。

分類豆類魚介類肉類乳・乳製品
食品構成もめん豆腐
納豆
サケ
アサリ
牛もも肉
鶏もも肉
豚もも肉
ロースハム
牛乳

アミノ酸とは
アミノ酸はたんぱく質を構成するものの総称で、約20種あります。これらのアミノ酸のうち、体内で合成されないか、
あるいはわずかしか合成されないものを必須アミノ酸といいます。
食品に含まれるたんぱく質の栄養価を考えるときは、この必須アミノ酸の種類と量によって優劣が決まります。


脂質(脂肪)
脂質はたんぱく質とともに、細胞の重要な構成成分であり、ホルモンに変換されるものもある。
科学組織の違いによって単純脂質(中性脂肪)と複合資質(リン脂質、糖脂質)、誘導脂質(コレステロール)に分けられる。このうち、運動のエネルギー源となる。
中性脂肪を構成する脂肪酸には、人間の体内で合成できるものとできないものがある。体内で合成できないものは必須脂肪酸と呼ばれ、食品からとらなければならない。
成長期の子どもについては、脂質の摂取量は1日の総摂取エネルギーの25〜30%を目安にします。
しかし、近年、子どもの食事におけるその比率は30%を超えることが多くなっている傾向にあります。過剰にとった脂質は体脂肪として蓄積され、
多すぎる体脂肪はスポーツ選手には不利に働く事があります。

分類油脂
食品構成
バター


炭水化物(糖質)
炭水化物はブドウ糖や果糖などの単糖類に分解されたのち吸収され、肝臓や筋肉でグリコーゲンに合成、貯蔵される。
肝臓は貯蔵されたグリコーゲンを必要に応じてブドウ糖として血液中に送り出し、それからからだを動かすエネルギーとして作用する。
また、筋肉中に貯蔵されたグリコーゲンも同様に運動時のエネルギー源となる。
炭水化物の必要量は、1日の総摂取エネルギーの50%以上を目安に考えます。炭水化物を取るにはご飯やパン、めん類(うどん、そば、ラーメン、パスタなど)
でんぷん質の多い食品を特におすすめです。このほか砂糖や牛乳、くだもの、野菜などにも炭水化物は含まれています。

分類穀類くだもの
食品構成
食パン
じゃが芋バナナ


ミネラル(カルシウム、鉄など)
ミネラルは、無機質、灰分とも呼ばれ、人体の構成成分のうち、有機物を除いた元素のことです。
体内にあるミネラルは他の栄養素と同じように絶えず新しいものに入れ替わっています。発育期の子どもはからだの各組織をつくるため、
ミネラルの体内蓄積をより多くする必要があります。とくにカルシウムは骨や歯の主成分であり、体内のさまざまな機能の調整をしています。
また、鉄分は赤血球や筋肉組織の成分として重要で、体内で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になります。不足すると疲れやすくなり、
さらに不足状態が続くと貧血になります。

分類豆類乳・乳製品緑黄色野菜海藻
食品構成もめん豆腐
納豆
みそ
牛乳ほうれん草
ブロッコリー
干しひじき干しわかめ


ビタミン
ビタミンはエネルギー源にはなりませんが、からだの働きを円滑にする有機物であり、体内では合成できないため、食品から取らなければなりません。
ビタミンの種類は20数種あります。大別すると、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンと、ビタミンB1、B2、B6、B12、Cなどの水溶性ビタミンに分けられます。
ビタミンを多く含む食品には、野菜くだもの、肉、魚介類など、いろいろな食品があります。
スポーツをする子どもにとってビタミンは運動による酸素ストレス*の消去やエネルギーの産生、からだづくり等に欠かせない栄養素です。

分類肉類緑黄色野菜淡色野菜くだもの
食品構成豚もも肉
ロースハム
ほうれん草
にんじん
ブロッコリー
トマト
ごぼう
キャベツ
大根
玉ねぎ
きゅうり
もやし
なす
オレンジ
キウイフルーツ


酸素ストレス
持久型スポーツによる多量の酸素摂取や瞬発型スポーツによる炎症によって発生する活性酸素で生じるからだへのダメージのこと。
ビタミンは抗酸化物質として機能し、このダメージを消去します。

食物繊維
食物繊維とは、人の消化酵素では消化されない難消化性の食物成分で、水溶性と不溶性の2つに大別されます。
水溶性の食物繊維の多いくだものやきのこ、海藻、こんにゃくはコレステロールを吸着して便中に排泄したり、血糖の上昇をおさえたりします。
不溶性の食物繊維の多い大豆製品や野菜は水分を吸着して膨張し、便のかさを増やします。これが腸内を刺激して消化運動を促進し、便の排泄時間を短くします。
食物繊維が不足して便秘がちとなると、練習や試合の間でも集中できなくなります。1日当たりの目標摂取量は摂取エネルギー1000kcalあたり10gです。

分類豆類緑黄色野菜淡色野菜くだものきのこ海藻
食品構成納豆
みそ
ほうれん草
にんじん
ブロッコリー
トマト
ごぼう
キャベツ
大根
玉ねぎ
きゅうり
もやし
なす
オレンジ
キウイフルーツ
りんご
バナナ
しめじ生しいたけ干しひじき干しわかめ



競技特性別の食事へ

競技特性別スポーツ種目の分類

分類
パワーの種類
種目
持久型ローパワー陸上長距離、マラソン、トライアスロン、自転車、
スキー・スケートの長距離、水泳(1500m)など
筋力・瞬発力型ミドルパワー
ハイパワー
陸上短距離、跳躍、投てき、重量挙げ、体操、ヨット、ボート
スキー・スケートの短距離、野球、ソフトボール、剣道、相撲など
混合型
(持久力+筋力・瞬発力
ローパワー
ミドルパワー
ハイパワー
サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビー、卓球
テニス、ハンドボール、ホッケーなど
ウェイトコントロール型ミドルパワー新体操、柔道、レスリング、ボクシングなど






持久型スポーツの食事

ポイント
実践法
おすすめの食品例
@エネルギー源を
しっかり確保する
炭水化物の
多い食事にする
ごはん、胚芽パン、うどん、スパゲッティ、もち
じゃが芋、かぼちゃ、バナナ
貧血を予防する鉄分をたくさんとるレバー、アサリ、卵、カツオ、豆腐、納豆、厚揚げ
ほうれん草、ブロッコリー、ひじき、切干大根
エネルギーの産生を円滑にするビタミン類をたっぷりとるほうれん草、ブロッコリー、トマト
いちご、みかん、キウイフルーツ
牛乳、ヨーグルト、豚もも肉、豆腐


ポイント@
エネルギー源をしっかり確保しよう
炭水化物の多い食事を取ることです。毎食毎にご飯ややパン、めん類などの主食をしっかり食べましょう。
なかでも粒食であるごはんはゆっくりと消化されて筋グリコーゲン量を高めることができるうえ、和洋中のどのおかずにもあわせることができるので
スポーツマンには最適の主食です。1回の目安量は、男子なら大き目の茶碗1杯(200〜250g)、女子なら茶碗1杯(200g)です。
ご飯をたくさん食べられるように工夫し、練習量の多い時期にはさらに増やすようにしましょう。

ポイントA
貧血を予防しよう
持久型スポーツでは貧血になりやすいため、鉄を多めに取る必要があります。
鉄は酸素の運搬に必要な血中ヘモグロビン(血色素)の材料のなるからです。
レバー、アサリなどの貝類、ひじき、ほうれん草、豆腐製品など、鉄の多い食品を積極的に取り入れましょう。

ポイントB
エネルギーの産生を円滑にしよう
体内でつくられる活動のためのエネルギーの産生を円滑にし、細胞の酸化を防ぐ働きのあるビタミン類も大切です。
特にビタミンB1が不足すると疲れやすくなり、持久力低下につながります。また、ビタミンCは鉄の吸収をよくします。
これらのビタミン類特に、緑黄色野菜やくだものを意識してとるようにしよう。






筋力・瞬発力型スポーツの食事

ポイント
実践法
おすすめの食品例
筋肉の材料を
しっかりとる
たんぱく質を使った
料理を毎食1〜2品
食べる
牛もも肉、豚もも肉、鶏胸肉、ささ身、マグロ赤身
白身魚、卵、豆腐、納豆、厚揚げ
たんぱく質とともに
食卓を充実させる
トマト、じゃが芋、グリーンアスパラガス、キャベツ
オレンジ、いちご
脂肪のとりすぎに
注意する
高たんぱく低脂肪の
食品を選ぶ
牛もも肉、豚もも肉、鶏胸肉、ささ身、マグロ赤身
白身魚、卵、納豆、厚揚げ
乳・乳製品を
たっぷりとる
毎食1品食べるように
心がける
牛乳、ヨーグルト、チーズ


ポイント@
筋肉の材料をしっかりとろう
たんぱく質をしっかりとる。そのためには、肉、魚、卵の主菜だけでなく、副菜にも少しづつ入れる。
たとえば、主菜を肉料理にした場合には副菜のサラダにツナを入れます。
また、大豆製品も各料理に少しづつ入れるように工夫すれば、たんぱく質の必要量を簡単にとることができます。

ポイントA
脂肪のとりすぎに注意しよう
良質のたんぱく質を含む肉類や魚類の中には脂肪をたくさん含んでいるもののある。
体脂肪のものになる脂肪のとりすぎを防ぐために、脂質が少ない赤み肉を選ぶなど、食品選びにくふうし、揚げ物ばかりにならないように注意が必要です。

ポイントB
牛乳を1日2〜3杯飲み、乳製品をたっぷりとろう
牛乳や乳製品には良質たんぱく質のほかに成長や体づくりに必要なカルシウム、ビタミンなども豊富に含まれています。
のどが渇いたからといってジュースばかり飲まないように注意しましょう。また、牛乳の飲みすぎは、アレルギーの原因にもなりますから、
ヨーグルトやチーズといった乳製品をとるのもいいでしょう。






混合型スポーツの食事

ポイント
実践法
おすすめの食事例
食事全体の質と
量の両面を考える
エネルギー源になるごはん、パン、うどん、スパゲッティ、じゃが芋
良質なたんぱく質を
とる
豚もも肉、ハム、鶏胸肉、イワシ、
ツナ、桜えび、卵、豆腐、納豆
強い骨をつくる乳製品を充分にとる牛乳、ヨーグルト、チーズ
腱や靭帯を
強化する
ビタミンC、ビタミンB群を
意識してとる
小松菜、トマト、インゲン、キャベツ、じゃが芋
キウイフルーツ、グレープフルーツ、いちご、メロン


ポイント@
食事全体の質と量の両面を考えよう
混合型スポーツでつかわれる主なエネルギー源は炭水化物です。そこで、毎食ご飯などの主食をしっかり食べます。
さらに、良質なたんぱく質をとれるおかずをそろえましょう。野菜もできるだけ多くとり入れ、全体の栄養バランスをととのえましょう。
質や量の両面を考え、欠食はしないことが鉄則です。

ポイントA
強い骨をつくろう
強い骨をつくるためには、骨の材料となるカルシウムが不足しないようにすることです。
そこで、牛乳・乳製品を充分にとりましょう。牛乳はそのまま飲むだけでなくシチューやスープなど、料理に使ったり、間食にヨーグルトを食べるという工夫をしましょう

ポイントB
腱や靭帯を強化しよう
腱や靭帯を強化するためにはビタミンCが必要です。また、ビタミンB群は疲労回復やエネルギー産生のために不可欠な栄養素です。
野菜は毎食ごとにできるだけたくさんとるよう努力し、ビタミンCの多いくだものも毎日意識して食べましょう。






ウェイトコントロール型スポーツの食事

ポイント
実践法
おすすめの食品例
必要な栄養素は
しっかりとる

欠食をせず、
3食きちんと食べる

低エネルギー食品
をたっぷりとる

低脂肪、
低エネルギーであり、
ほかの栄養素が
充実した食品を選ぶ


ごはん、食パン、うどん、スパゲッティ
鶏ささ身、牛もも肉、豚ヒレ肉、レバー、
マグロ赤身、タラ、イカ
低脂肪牛乳
ほうれん草、ブロッコリー、トマト、青梗菜
えのき、しめじ、しいたけ
、ひじき、わかめ
キウイフルーツ、いちご



ポイント@
必要な栄養素はしっかりとろう
ご飯茶碗に1杯と油大さじ2杯はほぼ同じエネルギーです。食品のエネルギーは重さとイコールではありません。
余分なエネルギーをとらずにじょうずにエネルギーダウンするためには、菓子類、ジュース類、脂肪分の3つをとりすぎないようにしましょう。
同時に必要な栄養素はしっかりとります。トレーニングのエネルギー源となる炭水化物、からだ作りに必要なたんぱく質、カルシウムなどは減らしすぎずに。
低脂肪であり、ほかの栄養素が充実した食品を選びましょう。

ポイントA
欠食をせず、3食きちんと食べましょう
欠食するとかえって太りやすくなります。また、必要なエネルギーや栄養素をとりきれなくなり、体調不良やけが、集中力低下
の原因となります。3食とも主食・主菜(肉や魚、卵)・副菜(大豆製品や野菜など)をバランスよく食べ、欠食を防ぎましょう。

ポイントB
低エネルギー食品をたっぷりとろう
野菜類、きのこ、海藻類など、低エネルギーの食品をたっぷり食べましょう。
ミネラルやビタミン類も豊富に含んでおり、食物繊維が腹持ちをよくし、便秘を予防する効果もあります。積極的にとりましょう。






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